Go Way

ふたご座で新月を迎えた先週の土曜日
アフリカンフェスタ@赤レンガ倉庫 へ寄りつつ新高島へ



NICO Touches the Walls横浜BLITZ
     TOUR2010 「ミチナキミチ」 (ツアーファイナル)



これまでワンマン(若しくは、ライブも?)をしていない土地(今回は7箇所)を廻り
各会場全て異なる新曲を演奏するというコンセプトのもと行なわれたツアーの楽日。
横浜は以前にライブをやろうと企画しが、坂倉くんの入院でキャンセルになった話をMCでしていたけど
今ツアーで廻ったHeven's Rockさいたま新都心VJ-3公演もその時に同じ状況になったんだよなぁ。
だから、数年前のリベンジの意味も兼ねてさいたま公演行きたかったけど
チケ争奪戦に敗し、私としてはリベンジならず。


ぎっしりと人で埋めつくされたフロアを見て、登場早々に破顔する4人。
どうやら2Fに立見まで出る完売ぶりだったようで。
《芽》で幕開けしたステージは、その意にそうかのように序盤からボルテージが高かった。
それは、やみくもに発散する熱や勢いという類のものではなく
集まってくれた聴衆にしっかりと対峙しながらも
自らが楽しむスペースをそれぞれ自分の中に確保した上で発せられているような。
それが特に判りやすく表れていると思ったのが、光村くんの声。
高めの音域のとき、眉間付近の声あてポイントに嵌っているのはいつも通りだけど
これまで私が行ったライブでは、テンションが上がってきたり
場を盛り上げよう、煽ろうと思ったであろうときの高音が
ポイントからスルリと外れて裏返ったり
息がもたなくて声が消えてしまったりして、気持ちと身体を繋ぐ線が離れてしまうことが多々あったのに
この日はポイントを捕まえたまま離すことなく、響きをもった高音域が保たれていて気持ちがいい。
意識していたかは判らないけど、身体をコントロールできるだけの
フレキシブルなスペースが気持ちの中にあるように伺えた。
おそらく、自分のやることに集中できていたのではないだろうか?
そう感じたのは声に関すること以外でもある。
バンドはフロントマン、とりわけバンドの立上げやソングライティング、
そして主旋律までも担っているとなるとライブでも自然と舵取りをすることとなり
背負わなくてもいいものまで抱え込んで一人で捌こうとしてしまいがちになる。
私がライブに行き始めた頃('06)からそういう印象は受けていた。
でも、徐々に対馬くんが荷を分け持つようになり
一年半ぐらい前から古村くんと坂倉くんも体力がついて持つようになったと感じていたのだけど
それでも光村くんは皆が分け持ってくれた荷から手を離せずにいたように思えた。
でも、この日はその手を離していたように思う。信頼の上でかな。
だから、手が空いた分、車のハンドルでいう“あそび”のような
無いよりもあったほうが断然よい余白があると私には感じられたのだろう。


4人が“NICO Touches the Walls”になったのだな、と思う。



鍵盤を入れずに奏でられた《かけら―総べての想いたちへ―》と《Aurora》
これ、待っていました。
昨年の日比谷野音で初サポート(鍵盤)を入れたことについて
もうサポート入れちゃうのね と、いい意味でも悪い意味でも思ったし新鮮だったのは記したけど
私としては、音源は一つの作品として残す上で要するのならばどんな楽器を入れてもいいと思うが
二度と同じ空気で鳴らされることのない、その時だけの音が詰まったライブでは
まだ4人だけで表現する可能性を狭めてほしくなかったし
この音色がなければ曲世界が成り立たないという絶対的な理由を私には感じられなかったから
後々のヴァリエーションとして取っておいてもいいんじゃないかな、と思い
野音でも4人だけで奏でるアレンジにしてもらいたかったのが正直なところと今更記してみる。
もしかしたら、野間さんがツアーには帯同できないスケジュールだったとか
色々と事情や考えはあるだろうけれど、こうやってNICOだけでやってくれたのは嬉しい。


対馬くんのかっこよくて気持ちのいいドラミングに
古村くんの音色(おんしょく) 、それに、坂倉くんと二人、出るところと支えるところのバランスもいいアンサンブル。
久しぶりにライブで聴いた《夏の雪》は曲終わりのリットが、すごく自然で印象的。
ステージ上の息が合っているのを曲の終わりに感じられると、心で秘かにガッツポーズをしてしまう。
《THE BUNGY》の序曲はニューヴァージョン?
ギターソロ部分が、古村くんと光村くんのギター掛け合いになっていて新たな味付け。
武家諸法度》も久しぶり。相変わらずかっこいい曲だ。
メンバー紹介は光村くんがするから、今まではソロ回しのセクションには入っていなかったけど
今回は最後に対馬くんが光村くんを紹介して、ギターを数フレーズ弾いていた。いいね。
やっぱり、4人がNICOになった と、こんな些細なことからも勝手に思ってしまう。
今ツアーのコンセプトである新曲披露はこの日、
聴きながら何故か桑田さん(サザン)が思い浮かんだ《YOU》(←表記不明)
この曲だけは各会場で演奏していたらしい《サドンデスゲーム》はかなり好みで
しかもシングルになるとの発表もあり、嬉しいかぎり。
そして、シンプルな中に哀愁がひたっと漂っているような《ダイバー》(←表記不明)の三曲。


彼らにとって実りあるツアーだったということが、こちらにも伝わる楽日のステージだった。
今年も色々な夏フェスに出演するみたいだけど、中でも
来月のJOIN ALIVEPE’Zと同日、同ステージ! しかも、北海道!!だし
8月のROCK IN JAPANは椿屋と同じ日に出演・・・と、私としては二つの惹かれるフェスがあるが
両日とも動かせない先約ありで断念しなければならず。
PE'Zと椿屋、椿屋とNICO の組合せが同日・同ステージに出演するライブは行ったことあるけど
PE’ZNICOの組合せはまだなんだよなぁ・・・うー。


さて。彼らはまた今夏もフェスで研磨されてくることでしょう。
「Night of Luna」というタイトルを掲げた秋の旧・渋公ネーミングライツ契約期間はいつまでー?)公演では
月の女神が照らす夜のもと、どんな輝きかたを彼らはするのでしょうか。楽しみ。
そして、このタイトル、月好きの私には非常に嬉しい。IDに入れているくらいですので。
・・・と、その前に関門があったわ。チケット確保できるといいなぁ。