ゲルニカ


今朝、通勤の際に理不尽な目に遭った。


自宅最寄り駅から終点新宿駅までの通勤ラッシュで混雑した車内から解放され
改札へ向かって歩いていた私の背中めがけて一人の女性が猛タックルしてきたのだ。
倒れはしなかったけれど前のめりになり、何が起こったか理解が出来ないまま振り返ると
近くにいた大勢の人が何事かという表情で見ている中
女性はそのまま逃げるように私とは別の順路へ早足に歩いていく。


とりあえず追いかけて捕まえ、どうしてそんな暴力をしたのか問いただすと
「そっち(私)が先にやってきた」と繰り返し言う。
その女性は車内で私の近くにいたらしのだが
押されたか何か嫌な思いをしたのだろう、それを私がやったと思い込んでいる。


明らかに、冤罪。


もしかしたら、私が他の人から押され、二次災害的に当たってしまった可能性は否めないが
私は故意にやってはいないから、「やっていません」と断言をすると
「そんなこと本当に言えるのぉ?」とヘタな芝居がかった表情をしながら鼻で笑うように女性は言う。
ここで揉めていてもラチがあかないので、駅員室へ行きましょうと提案すると
いいですよと言いながらも彼女は何度も逃げようとする。
その人は自分がやった行為は“悪い”という意識があったのだから逃げるのでしょう。


危害を加えた人物を勘違いし、己の腹の虫だかプライドか何かわからないが
この場合さして重要でないそんなものをなだめるためだけに
無実の別人へ理不尽な危害を加えるその人格がとてもカワイソウに思えてくる。
目には目を の考えは否定しないけど
それは本当の犯人へやってくれ。


そんなことをされて怒り心頭に達したけど
こんなレベルの低い人にかまっている時間も気力ももったいないので
もういいです、と彼女の逃げ道を空けてあげながら
私よりも年上と思われるその救いようがない荒んだ心を持つ彼女のようにはなりたくないと強く思った。
気をつけよう。