3本のスモークを引いて


5月にして30℃前後の真夏日を記録した先週の金曜日



suzumokuduo Music Exchange
    "aim into the sun" -formation flight-



3月のひとり弾き語りに続いて
今月はベースとドラムを加えたバンドスタイルでのワンマンライブ東名阪ツアー。
その初日。
バンド編成でsuzumokuのライブを聴くのは約2年ぶり。



音源と同じく、イントロなしの歌とギターだけで始まり
間奏からリズム隊が入ってくる《春の到着》で幕開け。


サポートミュージシャンは くどうよしこ(Eb)さん、なかむらゆうき(Dr)さん。 (お名前の表記は不明)
基本的にベース好きなので、ベーシストチェックは欠かしませんが
女性というだけでもカッコいいし興味を惹くのに、加えて綺麗で可愛いから、自然と目がいきます。
ストラップを長くして、膝あたりまでボディを落とし、
ネック根元近くでピック弾きをするスタイルから出てくる音は、華奢なルックスに反して男前。
出すぎず、引っ込みすぎず、緩急を交えて曲ごとに合った音の支えをつくっていたなかむらさんも
気さくなお兄さん(suzumoku談)的でグッドルッキングな方。


短編が繋がって一つのストーリーになるような曲をピックアップしたセクションは一人で。
初の試み、芝居っ気もほんの少しあるsuzumoku劇場。
規則的に落ちる雨だれのようなアルペジオ
5拍子のリズムが幻想的な風景を見せる《夜明けの雨》からはじまり
《ライトゲージ》《ガタゴト》と物語は進み、《適当に透明な世界》でおしまい。
これからも続けていくらしいので、今日(もしくは今ツアー)は第一話ということだね。
suzumokuの詞は陽が東から西へ移動するように
一曲のなかで時間が動きつつ起承転結があるものが多いから
こういう風にするとオムニバス映画のようになるからいいね。


《ベランダの煙草》を演るとは思わなかったので意外だったな。
行けなかったアップルストアでのライブ音源がiTunesにて配信されているけど
私はダウンロードものを購入しないので音源が手元にないから
今はライブでしか聴く機会がない曲の一つ。
この曲を聴くのも2年振りで3回目ぐらいだけど
曲の前半あたりでタイトルを思い出したから、結構覚えているものですな。
私の記憶力云々というより、耳に残る曲ということだと思うけれど。
以前のライブで、おじいちゃんへのお弔いに、と演奏したときのMCも併せて思い出す。


ひとり、立ったまま《Complicité》をおもむろに弾きだしたENC。
共犯という名のとおり、背徳感ある甘美な衝動があって好き。
(↑「背徳」って書いちゃったけど、間違いに気づいたー。正しくは「共犯」 ※5/26訂正)
そういえば、3月のソロワンマン時にはインストは一曲もやらなかったんだよね。
あの時はストローク演奏のことをしきりに云っていたから、技巧よりも初心という思いでだったのかもな。


最後は新曲《アイス缶珈琲》
もし、彼氏や旦那さんが仕事をサボっても
この曲のような心境なのかな?と思って(怒らないで)あげてください、とのこと。
はい。なるべく(笑)



suzumokuにしてはめずらしく、声がふらつく箇所が目立った。
特にバンドスタイルでの演奏時、イントロ明け、間奏明けでの歌い入り部分。
半音ズレたようなピッチで入っても、その後すぐ修正していたけど。
ひとり弾き語りをするときのように、自分のペースやタイミングなどで演奏できないし
自分と人の音がズレたり間違えたりすればつられることもあるだろうし
(ウラを返せば、周りの音を聴いているということでよいことなのだけど)
ひとりの時にはない種類の難しさがあるからね。
suzumokuはピッチが安定しているという認識が私にはあるゆえ、気になってしまったが
彼のことだから、今後早い時期に改善してくるとは思うので
次回バンドスタイルで聴くときは気になることはないでしょう。



ソロフライトとフォーメーションフライト、
どちらが彼の最大の武器かと訊かれれば、もちろんソロと答えるが
ひとり弾き語りでの演奏が聴きなれた曲もバンドアンサンブルで描かれると
曲ごとに感じる画がそれとは違うタッチになることがあるから、終始新鮮です。
メンバーが違えば出音の色は絶対違うし、編成が違っても然り。
それもまたバリエーションのひとつ。
ソロでの定評のように、バンドスタイルでも得られるようになったら最強だね。