ポケットに入る青空


ハーモニカを習っている友達に
お師匠さんのライブに行ってみたいのでお勧めの日程で誘ってほしい、とリクエスト。
そして、いくつかあるうちのこの公演に誘ってくれたので
雨まじりの雪と強風の3月とは思えない、ある意味特別な天候だった先日、約三週連続の横浜へ。



田中光Motion Blue Yokohama
  KOEI TANAKA "NOTES FROM THE AIR"
    田中光栄(harmonica)、小畑和彦(gt)、沢村 繁(pf)、西村雄介(ba)、須田義和(ds,per)



うーん。やはり、1stが18:30スタートは、仕事終わりで都内から行くとなると間に合わない(涙)
コスモロック21(大観覧車)の時計を左に睨みつつ急いだけれど、到着は19:00になってしまった。
この日の公演は入れ替えではなく、通しだったのが救い。
で、MBのフロント&クロークへ向かったら、そこに歌仲間が勤務していてビックリ。
働き始めて数ヶ月とは思えないほどの自然な馴染み具合は
外交的で華やかな彼女らしいな、と思いながらライブフロアへ。


いつものことながら予習をせずに聴いたのだけど
全く初めてのはずなのに、どこかで聴いたことのあるような
優しく柔らかく、時々苦さを内包したような深みがありつつも、彩度の高い音色・・・
以前、友達に色々なところで実は耳にしていると思うよと云われていたのが、ようやく判った。
お店やCMなどで流れているBGMなどの演奏もされているそうなので
おそらくそれを無意識のうちに覚えていたみたい。


片手を広げたサイズの10穴と、倍ぐらい(以上?)大きいクロマティックの二本を使用されていて
ハーモニカの知識が皆無の私は、大きさが違うという初歩的なこと、
クロマティックには右側にボタンのようなものがついていて操作しながら吹くということを
このとき初めて知ったのでした。
10以外の穴数のものもあるようだし、吹き方も種類があるみたい。
あの小さい穴に息を通して目的の音(単音でも和音でも)だけを出す訳でしょー
むぅ。簡単にはいかなそうだし、奥が深そうだ…


オリジナルの曲(1曲カヴァーあり)に合わせてそれらを持ち換え、
歌うように(歌うよりも体力使ってそうだけど)奏でられる音を聴きながら
“刷毛で薄く引いたような雲が幾筋かある青空に、柔らかな風が時折吹き渡る休日の午後”と
“星明りだけの高く澄んだ夜空と遠くに見える岩山の稜線” のイメージが浮かんだ。
この公演タイトル、「空の音色」を意識して聴いていたわけではないのに共通して空が浮かんだのは
それを表すような色彩を放っていたから、そう感じたのだと思う。


ポケットに入れてどこにでも持ち歩けるハーモニカ。
サイズは小さくても、描ける風景は大きい。
海外にはハーモニカをメインとした大きなフェスティバルがあるとのこと。
日本でも堂々とメインストリームを行くべき楽器だな、と思うのでした。