12秒間


12秒間は長い?短い?


【KKP#5 『TAKE OFF 〜ライト三兄弟〜』】@天王洲 銀河劇場


劇作・脚本・演出・出演: 小林賢太郎
出演: 久ヶ沢徹(サモアリナンズ)/オレンヂ(フラミンゴ)


いつのまにやらアートスフィアがリニューアルして銀河劇場という名になってたよ。
知らんかった。


今年の春ごろにあったラーメンズ公演「TEXT」はチケット確保ならず、惨敗。
(でも、旅先のホテルでBS放送されてたのを偶然見れたけど)
うぅっ。ならば、KKPは絶対に行ってやる!と、怨念が届いたのか1公演だけ無事確保。
しかし、何回も公演に来れている人ってどうやって取ってるんだろ?
演劇のチケ取りはまだまだ不慣れだわ。


自転車で一人旅をしている若者・アビルと、飛行機マニアのシノダ、大工のオリベが偶然出会い物語りは始まる。
オリベが解体現場でライト兄弟が発表していないと思われる図面を発見。
それを元に、原寸大をつくることとなる・・・。


もうね。笑いっぱなし。


緻密に計算されたストーリーと演出、そして笑いのエッセンス。
アドリブや、“上手くできたら拍手喝采”的で流動的な演出もあって観客を飽きさせない。
テンポよくポンポンと進ませながら、ライト兄弟が初フライトした時間=12秒間を計る間の無音。
12秒って意外と長い。鳥のように空を飛ぶという人類の憧れならばなおさら。
緩急あってツボもしっかりと押えている。


いっぱい笑わせといて、最後はじ〜んとさせるんだよな。KKP作品は。


カーテンコールは観客の拍手に応えて5回ぐらいやったかな。
最後のほうはオールスタンディングになり、バンドライブを観に来ているみたいな盛り上がりになった。
最後の最後までおもしろい。
実際、劇中使われていた音楽はLOSALIOSの曲。かっこいい!


あぁ〜。観れてよかった。
小林賢太郎氏の思考回路が特に好き。覗いてみたい。
明らかに人と違うだろうな。
ラーメンズのコントも小林さんがネタ考えているんだよね。
こっちはこっちでシュールで好き。
この人の声って説得力あるんだよな。
小林さんはキャストの特徴を最大限に使って魅力を引き出す演出をする。


そういや、久ヶ沢さんをKKPで観て興味もったんだ。
サモアリナンズ所属だけどインフォはSET)へ って、二つに所属しているのかしらん。
久ヶ沢さんてKKPではハチャメチャな役が多いけど、ものすごく冷静に演技している。
けど、“冷めてる”感じじゃない。役者然としている。
ちなみに今クールはNHKちりとてちん』に出ていますよ。


オレンヂくんはフラミンゴという三人コントユニットの一人。
この公演を知るまで、全く知りませんでした。
小柄なオレンヂくんの特徴を生かした演出もあって面白かった。
さすが、お笑いをやっているだけあって二人のテンポにしっかりついていっていてキレがいい。

劇中、倉庫に入るときに合言葉を云うんだけど、最初の数回は普通に言ってたのに、
終盤はしっかり歌にしちゃって三人でハモったり。
しかも、このハモリがきれい!! 


「楽しかった〜」だけでは終わらせず、
最後にはしっかりと観客の心に温かいものを落とし込んで終わるKKP


KKP#6(があったら)も頑張ってチケットとるぞ〜☆