教科書には載っていない

日本軍山西省残留問題を追ったドキュメンタリー。


蟻の兵隊 』 池谷 薫 監督


   
第二次世界大戦終戦後、2600人もの日本兵が軍上層部の命令で帰国できずに中国内戦に巻き込まれ
約550人が戦死、700人以上が捕虜となった。
当時、A級戦犯だった澄田司令官が責任逃れの為、軍閥・閻錫山と密約を交わし
「祖国復興」の名目で残留を画策したと、元残留兵が主張。
一方、国は兵士が志願して勝手に戦争を続けたとみなし、
現在もまだ戦後補償や恩給の対象からいっさい除外している。
それに対し、元残留兵の一人・奥村和一(80歳)さんが残留問題の真相究明する姿を追う記録。


奥村さんが、かつて内戦で戦った地へ赴いて
過去の傷跡を改めて見聞きするのだけど
教科書には書かれていない内容ばかり。


とても正気ではいられない実体験がどんどん出てくる。


戦争は人やその人生を壊す。


日本人として、人間として、絶対に観ておいた方がいい映画。
いろいろ考えさせられる。
戦争を知らない世代の私達は特に知っておいたほうがいいと思う。


個人的には、天皇ヒロヒトをロシア人監督が描いた映画『太陽 The Sun』と
この『蟻の兵隊』の二本立てで観てほしい。