雨の中の舞殿にて


先日の、8月最後の日曜日。
総選挙の投票を済ませてから、久しぶりに鎌倉へ。



鎌倉音楽祭 鶴舞2009 鶴岡八幡宮
 鶴岡八幡宮 奉納ライブコンサート
  〔音楽監督〕 武部 聡志
  〔ACT〕 中 孝介 / 川江 美奈子 / 葉加瀬 太郎 /平原 綾香 / 渡辺 美里
    Opening act:より子



この招待制イベントの運営に関しては突っ込みどころ満載すぎて呆れましたが
ライブ自体はとてもよかった。
鶴岡八幡宮という場所でのライブというのもなかなか体験できないですしね。



この日の出演者を支えるミュージシャンが出てきた時に
カミテに座ったギターの方は遠山さんだとすぐ判ったけれど
私が居た場所(カミテ側後方奥の石段)からは
一番遠いシモテ側のもう一人のギターの方のお姿がよく判らなく、目を凝らしたがハッキリとせず。
音は鳥山さんぽいなぁ…と思って、一緒に行った友達に「鳥山さんの音なんだけど」って云ったら
「そうだよ。パンフレットに書いてあったよ。」と、あっさり云われてしまいました(笑)
頑張って視力使っちゃったよ。ただでさえ視力悪いのに。事前にチェックしとけってね。はい。



素晴らしい演奏を聞かせてくれたミュージシャンは
武部聡志(kbd.)/鳥山雄司(gt.)/遠山哲朗(gt.)/竹下欣伸(ba.)/浜口茂外也perc.)



以下、出演順に雑感を。




◆印…ライブでは初めて聴いた方。

◆より子

オープニングアクト
喜納昌吉さんのカヴァー《花 〜すべての人の心に花を〜》と
ご自身の曲、《ほんとはね。》をキーボード弾き語りで。
より子さんの曲は殆ど存じ上げずですが、《ほんとはね。》で彼女を知ったので耳にしたことありました。
その時はひっかからなかったけれど、音源では出ていなかった情感がライブでは表れていた。
おそらく、音源をつくったときから年月が経って色々と経験をされているからなのだと思う。

川江美奈子

川江さんが中島美嘉さんへ楽曲提供した《桜色舞う頃》のキーボード弾き語りと
最新アルバムから《いつも通り》をハンドマイクで。
随分前に、一青窈さんのステージでゲスト出演されていたような、ないような… (記憶力劣化)
なので、ほぼ初めてでライブを聴きましたが、印象は“しなやか”。
特徴のある声と云うわけではないけれど
正統派で清楚な感じの中に芯の強さが見え、女性が持つしなやかさを声や曲から感じました。

平原綾香

クラシックをカヴァーしたシングル《新世界》と《ミオ・アモーレ》を。
平原さんが《Jupiter》で出てすぐのときに、ある収録観覧で一回ライブを聴いているのだけど
その時は、聴いているこっちの呼吸ペースを乱すぐらいにハッキリと息継ぎの音をマイクに乗せていたから
たったの2曲聴いただけだったのに疲れた記憶しか残らなかった。
あれから5年ぐらい経ったのかな? あたりまえだけど、今は違うのですね。疲れませんでしたよ(笑)
低〜中音域のあの特徴的な声は息の層が何重にもなって出ているようでフォギー感が強いけれど
高音域へ行くと張るからか、割りと硬めな声質になって中音域までとは違う色味が出るのね。
ほんと、不思議な声ですわ。

◇中 孝介

《花》と《空が空》を。
どうやら数日間ステージが連続してあったそうで
そのこともあるのか、声(体調)は本調子じゃなかった模様。
音に当たりきらなかったり、ロングトーンでブレたり、ファルセットで弱くなったりしていたな。
でも、《空が空》でのメッセージは何か伝わってきた。

渡辺美里

《10years》と、岩崎宏美さんのカヴァー《始まりの詩、あなたへ》
そして、《My Revolution》を。
4年振りぐらいに聴く美里さんのライブでした。
相変わらず存在感のある声。
輪郭がくっきりしている上に前へ飛ぶから、歌詞もハッキリと聴こえる。
下で記しているリレーコラボで《愛燦燦》を歌ったときに
<人生って不思議なものですね>の歌詞の「ふ」のところで
口笛のような音も伴っていたので、結構勢いをつけて言葉を飛ばすように歌っているのだなと。
子音をハッキリと出しているのもあるから、歌が前に出るんだよね。

葉加瀬太郎

数週間前に行ったサマータイムボナンザの時と同様に、中さんと《エトピリカ
そしてまた、中さんに靴の突っ込みをしていましたねぇ(笑)
平原綾香さんとの《Jupiter》、鳥肌ものでした。いいもん聴いたぞ。
そして、煽られ、盛り上がります! 《情熱大陸
お客さんの手拍子が雪崩れちゃってしまいましたけど(苦笑)
この日も葉加瀬さんのヴァイオリンは歌いまくっていました。
葉加瀬さんって、やっぱりロックな方だと思う。



次の出演者へ移る時にしたリレーコラボがレアでした。
このアイディア、すごくいいですね。
流れを途切れさせずに出演者の入れ替えができ、しかもこの日しかないかもしれないコラボだしね。
川江美奈子平原綾香 《孤独の向こう》(川江さんが平原さんへ楽曲提供した曲だそう)
平原綾香&中 孝介 《糸》(中島みゆき
■中 孝介&渡辺美里 《愛燦燦》(美空ひばり
渡辺美里葉加瀬太郎 《蘇州夜曲》(一応…山口淑子かな?)


アンコールは出演者全員で、はっぴいえんどの《風をあつめて》
それぞれソロ回しをしていたけれど、
美里さんのときが一番、歌詞がハッキリと聴こえていたな。


この日は台風接近中につき、途中から雨に降られてしまい少し寒かったけど
ここは、雨乞いのために白拍子を舞ったところ雨が降ったという説話のある静御前
頼朝の命で舞をした場所でもあるそうなので
静御前が降らせた雨の演出があったということにしておくのがいい収まりどころでしょうかね。