Forever Young

友達が行けなくなり譲ってくれた、TOKYO FM主催の上映会へ(一週間前のことですが)



ヤング@ハート 』  監督:スティーヴン・ウォーカー


公開は昨年秋だったので単館でもスクリーンは終わっているし、DVDも既に発売されているのだけど
観たいリストに入れていたのに逃してしまったので、ちゃんとスクリーンで観ることができて嬉しい。



マサチューセッツ州ノーサンプトンに住む、平均年齢80歳のロック・コーラスグループが
年に一回開催する単独コンサートまでの6週間を追ったドキュメンタリー。


普段聞く好きな音楽はクラシックやオペラ、ミュージカル等なのに
歌っているのはロック!という、歌が大好きなおじいちゃん、おばあちゃんたち。
前日まで入院していたってリハに来るぐらい歌が好きな彼ら。
身体になかなか入らない曲で、どんなにしごかれても歌うことをやめない彼ら。
仲間の遺志を継ぎ、歌い続ける彼ら。
リハで歌詞を忘れずには一度も歌えなかった不安な曲を歌うステージで
「(歌詞が出てこなくても)途中でやめないで歌いきるさ。それがショウビズだからね。」と、彼らは云う。


以前観た映画、『歓びを歌にのせて』のときもそうだったけど
今回もまた、コンサートの場面で曲が終わるたびに拍手してしまいそうになった。
いろいろな喜怒哀楽を経験してきた彼らが持つ、懐の深さと全てに対する慈しみの心が歌にのる。
天命を全うする日まで前を向いて生ききろうとする情熱とともに。



10代の頃は20代に、20代では30代に早くなりたかったから
年齢が上がる事に嫌悪感は全くない私だけど
このおじいちゃんとおばあちゃんたちのイキイキとしたお顔や懐の深さが伺える佇まいを見て
やはり、歳を重ねることって素敵だなと改めて感じた。
“若い”といわれる年齢には若さなりの素晴らしさはあるけれど
過ぎ去ったそれにしがみついているのは中身が無くて惨めだし
自分の年齢をその時々できちんと受け入れられる生き方をして歳を重ねていきたいと思う。



 ヤング@ハート特製ピンバッチ
かの有名なロックバンドのトレードマークは、ヤング@ハートの手にかかると入れ歯になっちゃう(笑)


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この上映会のスペシャルイベントとして、コーロ・カステロのライブがありました。
コーロ・カステロは日本人の男性コーラス・グループで、平均年齢80歳!
ヤング@ハートと同じような方たちが日本にいたとは。
こちらは日本やドイツ、ロシアの歌曲を歌っているグループなので
ロックは普段のレパートリーに入っていないそうなのだけど
映画にちなんで、この日はブルージーンズと白シャツに身を包み
Queenの《We will rock you》もやってくれました。


グループ最高齢の90歳のおじいちゃんが特にお茶目でかわいい。
このおじいちゃん、84歳のメンバーに「笑顔をわすれるなよ」って舞台裏で云っていたそう。
映画の中でも、歌詞を忘れても歌いきるという言葉があったけど
どちらもステージに立つ人としての意識をしっかりと持っていらして素晴らしいです。


アメリカや日本だけじゃなく、同じようなコーラスグループは他の国でも探したらいそう。
歌を歌うことは、笑うことと同じぐらい心身に良いですし
太古の昔から、祈りや呪術、お祝いや弔い、求愛や伝達方法などとしても歌は歌われ、生活とともにありますしね。
私も出来る限り歌い続けていたいな。