Chocolate

Chocolate
監督・脚本:豊永利明
出演:永瀬正敏宮本裕子工藤あかり大森南朋



※映画を観ると、このロゴの意味がわかる気がします。


29分の短編映画。
余分な台詞を排除し、画と音楽と役者でみせている。
静かな中にも、人を想い愛する気持ちの切なさと優しさが滲み出ていて体温を感じる。


チョコレート職人・利明は、チョコレートを必ずコーヒーと一緒に食すのだけれど
同職の後輩が作った生チョコは缶コーヒーを買ってきて食べたのに
離れて暮らす(夫は知らないが、実は隣に住んでいる)妻と娘の手づくりチョコを食べるときは
わざわざ喫茶店へ行き、ドリップされたコーヒーを飲むところに家族に対する特別な想いを感じた。


妻と娘のチョコに自分を支えてくれていることを感じ
後輩の心遣いで、底からもう一度立ち上がる機会を得る。


北風吹く曇り空が最後には暖かそうな青空になる画は
利明の心と物語のその先を感じさせる。


温かい空気を纏った適度な距離感で利明を気遣う人々。
こういうのにも色気を感じる。


ちょっとしか出てないのに、しっかりと印象を残す南朋さん。
フツーに喫茶店のマスターなんだけど、やっぱりその色気はヤバイです。
そんな人がいる喫茶店なら毎日でも通っちゃうな〜。


正直、男性には悪いけど日本のバレンタインデーの風習は面倒。
ホワイトデーだって返すの大変だろうし。
クリスマス・イヴの日本的な騒ぎも好きじゃない。
シティホテルが満室で、皆が同じことしていると思うと興醒めする。


個人的には、大切な人たちの誕生日以外にはあまり重きを置かないので。
でも、この映画のような気持ちのチョコなら贈りたいな と思った。