音の名画座


ぽかぽか小春日和に、暦の上での立冬が霞んだ先日の日曜日
頼もしいやつらのリアルライヴを聴きに、三ヶ月ぶりにBBLへ



PE'ZBillboard Live Tokyo
     PE'Z 10th Anniversary Realive〜銀幕のジャズ in Tokyo〜 (1st stage)



まず…
大山リーダー、お誕生日おめでとう!(誕生日はライヴ前日の11/6だけど)
また一つ歳を重ねた翌日のライヴとなったわけで、ちょっぴり特別感を勝手に抱いて聴いた。
ライヴハウスでは大山氏の演奏する姿をほぼ真横からみることは殆どないし
BBLやMBなどのライヴレストラン公演でもこれまで正面エリアばかりを選択していたから
今回はステージをサイドから見ることになる席にしてみたのもあり
足を前後に開き、ちょっと腰を落として吹く、その安定感のある立ち姿を
改めて かっこいいなぁ と思いながら、じーっくりと眺めてみた。
そして、美しくも感じた。氏は目を惹く存在感がある人だから、自然と画になるわ。
あ、ほかのメンバーが目立たないというわけではないが。
実際、随分前になるけれど、とある都内私鉄電車に乗った瞬間に
ハードケースに入れたSAXを両足間に置いて7人掛け座席に座っているJAWを発見したことがあるから
ステージ降りても皆それなりに何かしら発しているものはあると思うけれど。
見られる機会の多い立場にある人たちだから意識せずとも、ね。



《Love Theme*1》で幕開けした1st stage
公演タイトルどおり、9月にリリースされた映画音楽のカヴァーアルバム
『銀幕のジャズ-SAMURAI FLYS INTO THE SCREEN-』からの曲を主体に
それ以前からのカヴァーやオリジナルを4〜5曲織り交ぜてのセット。


前にも記したが《Misirlou*2》、ベース好きの私は反射的にワクワクしてしまう。
原曲を、サンプリングというよりカヴァーに近い形で歌詞を乗せて使っている
Black Eyed Peasの《Pump It》を今年よく耳にしたからそちらの印象も強いのだけど
PE’Zアレンジも彼ららしいスパイスを効かせた料理の仕方で素敵。
ニレのベースがいい塩梅の寸止め感を残して終わるアウトロに案の定、にやっ としながらも
それよりも少し前に消える大山氏のTpのフェードアウト具合がこの日は私にヒット。
すごくピンポイントなツボで申し訳ないが、そのしっぽがとても好みだったもので(笑)


JAWのTsソロのみから入った《Axel F*3
結果、JAWがテンポ出しとなる、導入に相応しいそのソロ後
すぐにTpとTsのユニゾンのみでテーマを奏でたときのタイム感に静かに感嘆。
他の曲でもだけれど、PE’Zのライヴを聴くたびに大山氏とJAW、二人のタイムの揃いに感心する。
楽器でも歌でも、ユニゾンって簡単そうでとても難しいと思うの。
同じ旋律を奏でるからこそ、テンポと一つ一つの音符の長さが揃ってないとバラついて聴こえるもの。
二人は前述の部分はもちろん、ブレス位置もだいたい揃っているね。揃えているのかも知れない。
揃う要素が多ければ多いだけ線の太いハッキリとした旋律を描けるから曲にもメリハリが出るし。


The Pink Panther Theme*4》だったけな?
航さんのソロ、特にかっこよかったぁ。
これまた、この会場ならではの角度から航さんの演奏姿を見ることができたのも興味深かった。
教則ビデオみたいなので無い限り、ドラムプレイを鋭角な俯瞰位置から見ることなんて滅多にないもの。
航さんをこの日のような位置から見るのは初めてだったから新鮮。


ジャズのスタンダードをPE’Zアレンジでカヴァーした
’08年リリースの『黒船のジャズ〜SAMURAI MEETS THE ENEMY〜』からも一曲。
リズムの縦線よりも僅かに後ろめに乗っている(ように聴こえる)メロディラインが
少しアンニュイさを醸していて色っぽく感じた《Summertime》
久しぶりにライヴで聴いたな。
聴きながら、ブルーグレイの色味がイメージとなって頭の中に広がった。
この曲が一番耳に残ったようで、2日経った今でも気付くと頭の中で流れている。


他には《Gonna Fly Now*5》《Flying Theme*6
ラテンテイストなリアレンンジの《人が夢を見るといふ事〜Black Skyline〜》などなど。
リーダーのMCどおり、メンバーそれぞれにスポットを当てながらのステージ。
それが単にソロ回し的なものではないのがいいのよね。
曲の構成を切ることなく組み込んでいるリアレンジ。
そして、ヒィ氏の超越ぶりに心の中でいつものように感嘆しっぱなし。


そして、1st本編ラストは《Raindrops Keep Falling On My Head*7
リーダー、JAW、ヒィ氏、ニレの順でテーマメロディ、ないしは準ずる部分を演奏し
各自の番が終わったら次の人が演奏しているなか順に捌けていき
最後に航さんが曲を締め、ドラムから離れてセンターまで来たからそのまま捌けるかと思いきや
「皆いなくなっちゃって寂しいねぇ。PE'Zは五人揃ってPE'Zなので、皆を呼び込みたいと思います」
みたいな事を云ってドラムへもどり、演奏しながら順々に呼び込むという演出が。
捌けたときとは逆の順に呼び込まれ、音を重ねていき、《Akatsuki》へ
おそらく、1stだからENCの位置づけだったのかな。こういう演出もいいね。


  • 航さんのマーロン・ブランドのモノマネ(リーダーから平泉成さんに似ていると横やりが・笑)・・・んー。平泉さんのほうが似ている気もしないでもない。あ!航さんのモノマネは吹き替えのほうとかじゃないよね?
  • ニレ、会場がBBLなのでちゃんとした服で来なければ→おしゃれ着洗いで洗濯 って。ニレらしい発想だねぇ。服はパリっとなったけど、分量間違えてエ○ール臭くなったようで(笑) それ、私も使ってまーす。
  • ミッドタウンのEV内のヴィジョンは位置が高く、高いなぁ〜と思いながら乗っていたと、ヒィ氏。帰りに確認したら、確かに高かった。これまで何度も利用しているのに気にも留めてなかったわ。乗り合わせた方々も確認していて笑えた。
  • JAWのバキューン前MC、短いながらも起承転結があって今までで一番うまかった!リーダーからの横やりにも上手く対応していたし。着地できなかった頃が嘘のようよ。

このあとに予定が入っていたから1stしか取らなかったけれど
2ndは1stとは違う盛り上がりのステージになったのだろうなぁ。
どんなアーティストの公演も2nd、特に最終日の2ndは別物になるからねぇ。
今回の公演は1日のみだったから尚更なのでは?と想像。


さてさて。
今度の日曜日は久しぶりにPE'Zの渋谷ストリートライヴが見られる機会なのに
その日に限って東京に居なーい(泣)
せっかくのストリートなのにっ! くぅ。
んー・・・予定が合わず1日しか行けないけど、EN-MUSUBI@東京3daysに行けるだけよしとしなければ。
その前に、10周年再録ベストアルバム『侍JAZZ-compact disc-PE’Z 15 standard tracks』だわ。
普通にベストアルバムだったら購入迷うけど、今のPE'Zの音で聴けるとなれば買いです!
この前、リアライズで《Akatsuki》かけてくれたのを聴いたらよかったし。
リリースが楽しみ。

*1:From”ゴッドファーザー

*2:From”パルプフィクション

*3:From”ビバリーヒルズコップ”

*4:From”ピンクパンサー

*5:From”ロッキー”

*6:From”E.T.

*7:From”明日に向かって撃て