灰かぶり姫

三夜明けた今も《シンデレラ》が頭の中で鳴っています。



椿屋四重奏 渋谷C.C.Lemonホール(旧・渋公)
   熱視線7 『TUMBLING VACATION』 (ツアー楽日)



YANCYさんが奏でる序曲から《恋わずらい》へ繋がるこの幕開けは
客席の意識をステージに引き寄せ、同時に雰囲気を一気に変える力が強く
ホールライブにとても合っているオープニング。
あ、他の会場はライブハウスだったけど同じ始まりだったのかな。
ワンマンでなら、小さいハコよりも大きいハコのほうが合うオープニング構成だと思う。
この構成の有効能力は対バンライブ(ハコの大小問わず)で使っても存分に発揮されそうだ。


昨年末の熱視線6で既にお披露目済みの《スピード》《フィナーレ》や
少し前にラジオで解禁された《太陽の焼け跡》《シンデレラ》
この日初めて聴く《空に踊れば》と、8/19発売のアルバムからも。
ラジオで流れた《シンデレラ》音源を聴いた限りでは、ギターと声のみの冒頭部分と
その後に続くバンドサウンドとの差をつけるように、倍音を抑え気味にしてある印象を受けたけど
ライブだとギターと中田くんの声から出るそれぞれの倍音のミックスが響いて
曲が持つ哀愁の度合いが増幅するから、初っ端から曲世界をドンと示され、惹きこまれる。
この曲は3/28@代々木で初めて聴いて即ツボだったけど、その時も冒頭部分で耳を奪われたもの。
ラテンの匂いがするソロの切なさ感もいい。
(ラテンもの好物!ラテンは速さ関係なくアップでもスローでも哀愁が滲むからね。要するに、私は哀愁や切なさ好きなのだ)
先にライブで聴いていたから、今はラジオで聴いた音源よりもライブのほうが好印象だけど
CDで聴いたらどんな感じを受けるのか楽しみ。
リードトラックとして先行配信されるそうだけど、相変わらずこのシステムは好きじゃないし
遅かれ早かれ手元には入るわけだからCD発売まで待つとします。
でも、配信用のジャケいいね。


《シンデレラ》の後、《パニック》へモードを切り替えるようにうずくまり
イントロと同時に前曲とは全く違う曲世界の住人になる中田くんのスイッチはすごい。
その集中力を分けていただきたい。


レコ発ツアーではない熱視線シリーズコンセプトの割りに
トータル*1では、そんなに久しぶりではない曲が多い?と思ったけど
インディ−ズリリース : メジャーリリース : リリース前 で比率を測ると
2 : 2 : 1 と、バランスはよかったのね。
おそらく、リリース前の曲でも既に昨年のライブでやっているから
近年の曲が多い印象だったのかな。
そうなると、最近のライブではやっていない曲を多めに聴きたかったという欲が出るな。
《波紋》だけじゃ物足りぬ。
しかし、この日演奏された曲だけでも、ほんと幅広い。彼らにしか出せない、稀有な色ばかり。



ひとつ残念だったのは…
中音はどう聴こえていたのかわからないけど、外音の音響バランス、特に序盤が悪かったなぁ。
ベース音の輪郭がぼやけて前に出ていなく
逆にギター音が分離した油のように浮き上がっちゃっていたのもあり
アンサンブルがしっくり聴こえず、首傾げること数回。
ハウリングも多かった。
ちなみに、私が居た位置は安高さんの正面延長線上、前方エリア。
聴く場所によっても違うから他の場所ではバランスよかったのならいいのだけど。
昨年末のブリッツ時、聴き比べちゃったことに結果なったからねぇ。とても気になる。
私も歌しごとや趣味活動などで色々な環境の中歌わせてもらっていることもあり
音響調整の難しさは承知しているつもりだけど
アリーナや武道館みたいに、もともと音楽のためには造られていない会場や屋外ならともかく
音楽興行での使用が筆頭範囲に入っているホールやライブハウスとなると
やっぱりもったいないと思う。


衣装も残念な方がいたけど…
とにかく、持って生まれた素材の良いところを生かすためにも、イメージコンサルティングを受けておくれ。お願い!
こちらももったいないよ。


昨年終わりごろから躊躇することなく外側へ放たれていると感じている彼らのエネルギーは
この日も変わりなく、なんだかいい感じ。
こちら側にも、半身にならず正面で対峙しているし。
9月から始まる『CARNIVAL』ツアーも、そういういいベクトルでのライブをしてくれそう。
期待しています。
さて。まずはアルバム入手したら聴きこんで準備運動しておこうっと。

*1:セットリストは  熱視線7 ツアーブログ 7/6付記 を参照